2007年8月 第82号
世界的ヴァイオリニスト五嶋みどり&五嶋龍の母親五嶋節さん教育理念を紹介します。
 ご家庭の環境作りの参考にしてみてください。
理念1 ヴァイオリンは“楽しく”練習させてきた
子どもにピアノやヴァイオリンを習わせている親にとって、どうすれば子どもが練習をするのかは共通する悩み。みどりさんだってきっと小さい頃は練習をいやがったにちがいない…。 「子どもが弾いている曲のバックグランドを話してあげたりしていました。作曲家のことを本で調べて子どもに話す、曲について何かお話をつくる、何でもいいんです。自作でいいんですよ、子どもにはわからへん!
子どもはつらい思いをしてヴァイオリンの練習をしている。だから母親が何か話をしてくれることが子どもはうれしい、お母さんの話を聞くのがうれしいからお母さんと一緒に練習するのが楽しい、子どもがそう思えるように努力しました。その場で話ができないときは、夜寝るときに話してあげればいいです」
 「小さい頃から親子のコミュニケーションができていれば大丈夫なのではないでしょうか。中学生になってから急に子どもにベタベタしても遅い。自分の子どもの頃を思い出しても、子どもの頃というのはスポンジのように何でも吸収する、その時期からが大切なんです。 私は自分で読んだ本の内容を子どもに話して聞かせていました。食事を自分で作ってあげるのもいい。朝の起こし方、寝かせ方など、親と子だけでできることを探せばきっとあるはずです。みどりとは、ビーズ、刺繍、何でも一緒にやってきました。“楽しいこと”とは、子どもと遊園地に行くことだけではありませんから。」
理念2 お母さんと競争させよう!これも親子のコミュニケーション
  「子育てというのは、自分の子どもが世界一と思わなければやってられない。こどもというのは、ヴァイオリンを弾くのも、泣くのも、みんなお母さんに向かってしているんです。お母さんがこの子はイケる!と思ったら、それでいいじゃないですか。 それで恥ずかしいですか? お母さんが喜んで子どもといるのが一番。」「子どもは競争が好きです。今の日本は競争をなくしてますけどね、運動会でも順位をつけないとか。でも『お母さんと走って競争しようか』と誘えば、イヤという子どもはいない。みんな好きです。喜んでお母さんと走ります。10回のうち1回でもお母さんに勝ったら、もう大喜びですよ。コンクールも競争。子どもが負けたり、受験に失敗したときその時こそがお母さんの出番です。

理念3 「いじめ」はなくそうとするより、熱中できることを与える
 最近は学校での子どもたちのいじめ問題も深刻だ。「アメリカで、私の息子も日本人だからという理由でいじめを受けたけれども、日本人が日本人であることは変えられない。 人間性は家庭で、社会性は学校で学ぶべきこと。子どもたちが大人になるまでには、いじめを跳ね返せる力を付けさせなければならない。もし学校の先生がいじめに対して何も対応してくれなかったら、それを乗り越えられるだけの力を自分で身につけられるんだと、喜びなさい!」 いじめによる自殺については、キリスト教でいう・死んだら罪・ということを親は教えなければいけない、ときっぱり。なぜ自殺をしたらいけないのか、節さん自身も子どもたちに話してきかせたと言う。「太宰治の小説が高校の教科書に載っているのもおかしい。太宰は心中したんですよ。相手を殺し自分も殺した人間が教科書に載るなんて!死んではいけないと教えなければならない校長が自殺したり、自殺した大臣もいましたね…」 節さんは近著のなかでも、「いじめをなくそう」という抽象的な正しい意見より、ポジティヴな思考回路を持つことが必要なのではないかと説いている。音楽でもスポーツでも、子どもが熱中してできることを大人は与えよう!と明確だ。
理念4 自分に自信のあるやり方で子供に接する
 「子どものためにどうしたらいいのか、と無理に子どもの側に立って悩むのではなく、自分に(少しは)自信のあること、自分に(少しは)自信のあるやり方で子どもに接する、そのほうが、子どもも疑いなく自信を持てるようになっていくのではないでしょうか。」という言葉で近著は終わる。 節さんにとって「自分に自信のあること」がヴァイオリンを弾くことであり、「自分に自信のあるやり方」がヴァイオリンを教えることだったのだろう。自分に自信をもって、子どもにできることは何でもしようという節さんの強い気持ちが二人の天才を育てたのだ。 子育て中の親御さんへのメッセージとして節さんは呼びかける。「子育てに自信のないお母さんもおられるでしょう。でも、お母さん、もっと自信をもって! 『母は強し』ですよ。マリア様の名前は誰でも知っているでしょう。でもキリストの父親の名前はほとんどの人は知らないんですから。(世間のお父様、本当にご無礼いたしました)」
※2007年6月16日(土)日本キリスト教団横浜港南台教会で行われた五嶋節講演会「私の子育てとこれから」と 
著『「天才」の育て方』の内容をもとにまとめたもの

♪9月 2日(日)子供さん対象 ≪夏の会≫ 11時から八王子懐風館
 追加申込み受け付けます。

♪9月15日(土)サイトー祈念アンサンブルコンサート 横浜みなとみらい小ホール
 17時開演 Aちゃんのお父さん出演ほか朝岡聡等
 ピーターと狼(プロコフィエフ曲)他          招待チケットあります。   

♪9月22日(土)ストウィングスコンサート すみだトリフォニー小ホール
 14時開演 ヴィオラ青木紀子さん他出演
 フランセ:八重奏曲ほか  前売り券¥2500円 問合せ03−3363−7718